2013年1月24日木曜日

ハッカ糖の2012・演劇と映画を振り返る.その二

と、いうわけで・・・遅れましたが・・・2012のよかった映画を振り返ります甘夏です。

というかこの映画のことを書きたかっただけなのかも。許して、
もうさんざんいろんなところで言われちゃあいますが、
『桐島、部活やめるってよ』 の素晴らしさについてです。

原作者の朝井リョウさんは、先日の直木賞受賞でも話題になりましたね。
私もこれから読みますぞ。

で、『桐島、』なのですが、
原作と映画はほとんど別物というか、映画が先で原作が後と言われても違和感がないような形になっています。私は映画を先に観ました。
ある高校で、桐島という生徒が部活をやめるという個人的な出来事が、
ほとんど学校全体を巻き込むような事件になってゆく、その数日間の出来事を
様々な登場人物の視点から反復の手法で描いた作品。

とても個人的な記憶を鮮明に思い出させる映画でした。
一枚一枚の絵はとにかく透き通っているように痛々しく美しくて、
音楽がいっさいかからないことも含めて、
人の心の中に裸足でおりて行くような気持ちがする。
一つ一つのせりふが、本当にたいしたことなんて話してないんだけど、
生徒のこころを生々しくえぐって見せるように描かれている。

私は高校のとき演劇部に属していました。
好きなことをしていれば幸せかなと思ってた。
でも、そこにも人間関係はあり、うまくやれないで悩んだ時間も長かった。
片道2時間という驚異的な遠さのところに通わせてもらってたので、結局は
辞める事になるのですが、部活の外にあった世界は
ある独特な残酷さや冷たさも含んだものでした。
でもだからこそ、
ひとりでいることの大切さや、好きな人に好きというよろこびもそのとき学びました。
そのとき出会った音楽や、私を支えてくれた小説の言葉は
今でもこれからも私の親友でいつづけてくれるんだろうなと思います。

いろんな高校生活があったろうし、高校生ってどう、とか勝手にまとめるのは
本当に勝手なので、あまりしたくない。でも、
ある時代の希有な時間をみんながもっと大切にできたらいいと思う。
友達のことも、親のことも、先生のことや好きな人のこともいい、でもまずは、
自分のことを、そして自分のものの見方や感じ方について、
軽やかにでも愛をもって育てられる時間、それがあの時代だと思うのです。

2月にDVDも出るよ! って、演劇雑誌のハッカ糖のブログなのに、
映画の宣伝と化してしまった。
でもね、それぐらい観てほしい映画なのです。

ほかにも2012年は、女のかわいさぎりぎりの業を描ききった作品『夢売るふたり』や、みんな大好き細田守監督の『おおかみこどもの雨と雪』など素晴らしい作品が目白押しでした。あ、洋画も私観ますよ。

映画と演劇は、観客層がかさなるようでかさならなかったり、
いろいろと縁も深いので、今後も探って行きたいと思います!

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